「AMD EPYC プロセッサー」はデータセンター向けプロセッサーとして第1世代である「EPYC 7001
シリーズ」が2017年にリリースされました。第1世代
EPYCでは複数のダイを単一のパッケージに統合したマルチダイ化によりコストを抑え、性能向上のためのアプローチとしてMCM(Multi
Chip Module:マルチ・チップ・モジュール)構成を採用、「Infinity
Fabric」と呼ばれるインターコネクト技術により4つのダイが接続されています。
これにより第1世代
EPYCでは8個のZEN CPUコアを搭載したダイを4個使うことで最大32コアのCPUを実現しています。
2019年にリリースされた第2世代 EPYC プロセッサー「EPYC 7002 シリーズ」は、第1世代
EPYCのMCM構成を継承。8個のZEN2 CPUコアを搭載したダイを最大8個搭載し、新たにPCI
Express
Gen4のコントローラ、8チャネルのメモリコントローラなどを一つに集約したI/Oダイを接続。8コア×8ダイで最大64個のCPUコアを単一のCPUパッケージに搭載しています。
第2世代
EPYCは7nmプロセスの「ZEN2」アーキテクチャで製造され、分岐予測などの改良、FPユニットの強化、L3キャッシュの増加によりシングルスレッド、マルチコア性能が向上。
CPUダイ、ソケット間を接続する「Infinity
Fabric」の速度も改良されており、第1世代 EPYCの10.76GT/sから、第2世代
EPYCでは18GT/sに向上しています。
これにより第1世代
EPYCと比較してIPCが15%改善されています。
9ダイ構成のマルチ・チップ・モジュール
AMD 第2世代 EPYC プロセッサーの主な特長
- 7nmプロセスの「ZEN2」アーキテクチャ
- 1つのパッケージ上に8つのプロセッサダイと単一のIOD(I/O Die)を集約
- 1パッケージあたり最大64コア128スレッド
- CPUダイ、ソケット間を接続する「Infinity
Fabric」を10.7GT/秒から18GT/秒に引き上げ
- DDR4-3200メモリに対応 1パッケージあたり最大4TB
- PCI Express 4.0対応
- 専用のセキュアチップを搭載しセキュリティを強化
世代別比較
|
第1世代 EPYC 7001 |
第2世代 EPYC 7002 |
リリース年 |
2017年 |
2019年 |
コードネーム |
Naples |
Rome |
アーキテクチャ |
Zen |
Zen2 |
製造プロセスルール |
14nm |
7nm |
最大CPUコア |
32 |
64 |
CPUソケット |
SP3 |
SP3 |
Infinity Fabric |
10.7GT/秒 |
18GT/秒 |
ソケット数 |
1 / 2 |
1 / 2 |
メモリ |
DDR4-2666 |
DDR4-3200 |
メモリチャネル |
8 |
8 |
最大メモリ |
2TB |
4TB |
PCI Express |
Gen3 128レーン |
Gen4 128レーン |